

○○○、実は××。
という設定、よくありますね。みんな好きなんでしょう。
例を挙げると“越後の縮緬問屋の隠居、実は先の副将軍”(^.^)
“不良少年、実は財閥の御曹司。”“美女、実は男”とかww
「あくじゃれ瓢六」の主人公、瓢六もそんな設定です。
賭博で捕まった小悪党、実は長崎ではその名を知らぬものはいないという
綺羅屋の息子・六兵衛。唐絵目利きで阿蘭陀語から蘭学、本草学に通じ、
長崎の地役人をつとめていた。当時のエリートですね。
おまけに役者にしたいような色男ときたもんだw
牢屋敷に入れられたものの、瓢六に惚れ込んだ深川芸者のお袖に貢いでもらっている
おかげで、牢内でもけっこう快適に暮しているのです。
そんな瓢六の過去を知った与力・菅野一之助は、瓢六に事件の解決を手助けさせるよう
部下の篠崎弥左衛門に命じます。
この弥左衛門、四角い顔した不器用な男。早くに妻を亡くし、やもめ暮らしをしています。
最初は水と油のような相性だった瓢六と弥左衛門ですが、いくつかの事件を解決するうちに
身分を越えた友情を持つようになるのです。
事件のたびに牢から出してもらっていた瓢六も無罪放免となり、「こんちき」からは
お袖の家に居候、仲間と瓦版を作り始め、弥左衛門のためにお上の用も勤めます。
なかなか魅力的な登場人物たちが楽しませてくれ、事件そのものが小粒でも
良い感じにまとまっています。読後感も良いですね。
なんでもそつなくこなす瓢六と対照的な弥左衛門の恋の行方も気になりますが、
なぜ、瓢六が江戸へ出てきたのか?今のような暮らしをするようになったのは
どんなことがあったせいなのか?という肝心の謎がまだまだ明かされていません。
これからの展開が楽しみです。早く、次がでないかな♪