のばらのアリア

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れんげ野原のまんなかで/森谷明子

れんげ野原のまんなかで

図書館、週に一度は必ず行きます。
以前はそうでもなかったんですが、近所に新しい図書館ができたのがきっかけです。
ネット予約が出来るようになってからは読む本の大部分が図書館の本になりました。
高校生くらいのときに司書になるのもいいかも、と思ったことがあります。
そのときは真剣に考えていたわけではないですが、真剣に考えればよかったなー
なんて、今頃思ったりして。
「れんげ野原のまんなかで」は図書館が舞台、主役は司書の女の子です。

秋庭市のはずれもはずれ、ススキの生い茂る斜面の真ん中にできた新しい図書館。
そこに配属された文子は新米司書です。先輩司書の能勢さんや日野さんの教育を
受けつつ、大好きな本に囲まれての仕事ですが、なにせはずれにある図書館。
利用者が少ないのです。あくびを連発しながら過ごす事もめずらしくない日々の中、
小学生の男の子たちが毎日のようにやってきてくれるようになったのですが、
この子たちの目的は明らかに本ではないのです。
ただのいたずら?目的はいったい何なのか?それと同時に頻発する忘れ物は?

日常の謎系のミステリです。殺人事件とか起こりません。
児童書が絡んだ謎や、誰かが本をつかっておこなっている暗号通信など、
なかなか面白かったです。懐かしい本が出てきたりして嬉しかったですし。
謎の答えは読んでるうちに、けっこう早くピンときます。
探偵役は文子ではなく、先輩の能勢さんです。
若い女の子の語り手と年上の男性の謎解き、とくれば誰もが思い浮かべるのが
北村薫氏の“円紫さんと私”のシリーズ。
魁であり、名作ですから比べられると辛いでしょうが、つい比べちゃいます。
そして、北村氏のシリーズを越えたものは、今のところないな、と思いました。
この作品も悪くはない、楽しく読めましたが、図書館をよく利用する者として
疑問が残る点が多々ありますし、文子にもう少し魅力が欲しいところです。

ムンクを追え!/エドワード・ドルニック

ムンクを追え!

リレハンメル・オリンピックの大会初日。
ノルウェー国立美術館からムンクの「叫び」が盗まれた。
絵の行方を追って、ロンドン警視庁特捜班・囮捜査官が動き出す。

おお、まるで映画か小説のようです。でも、これはノンフィクション。
本当にあったお話ってやつなんですね。
ムンクの「叫び」といえば、知らない人はいないんじゃないかと思われるほど
有名な絵。それが、手薄な警備のため簡単に盗られてしまったのです。
「叫び」を取り戻すために、登場したのは囮捜査官チャーリー・ヒル。
回収の達人と呼ばれる彼、強烈な個性と生き方がこれまた映画か小説か、
って感じなんです。やっぱり普通の人じゃできない仕事なんですね~。
チャーリー・ヒルの「叫び」奪還計画とともに、過去の名画盗難にまつわる話が
たくさん書かれていて興味深いです。
ホントにたくさんの絵が盗難にあっていて、そのほとんどが戻ってこない!
ちょっと悲しくなるくらいです。
盗る方も悪いけど、名画って思ったほど厳重な警備されてないんですね。
えー、美術の盗難に関する面白い話がたくさんありすぎて、「叫び」奪還の方が
ちょっと弱くなってる部分もありますが、全体として面白かったです。

盗まれた絵は誰の手に渡るんでしょう。
美術コレクターと呼ばれる大金持ちの人が、こっそり大金で買取り、
自分の城の秘密の部屋でひとり、楽しんでいる。
というような想像をしてしまいます。ありそうでしょ?
ほんとうにそんな人いるんでしょうか?
この本の中でも触れられています。

マリアの空想旅行/森茉莉

マリアの空想旅行

森茉莉さん、大好きです。
年に何度か必ず読み返してしまいます。
この「マリアの空想旅行」は単行本未収録作品とのこと。全集には入ってると
思いますが、全集を持っていない私には嬉しいかぎり。

“ひともする古都巡礼を”と題された前半。
古都・古寺を巡り歩いて旅行記を書いて欲しいと依頼を受けた茉莉ですが、
彼女は大の旅行嫌い。まったく行く気はありません。
そこで編集部の用意した写真や資料を見ながら、それにまつわる思い出や
連想したことを書くことにした、と。茉莉らしいですね。
写真からこれだけのことを連想して書ける、というのがすごいですね。
記憶力のよさがそれを支えているんでしょうか。
鴎外との思い出、素晴らしい子供時代を彩ったものたち、生家で感じていた暗さ、
婚家の秘密などがスパイスになっています。
後半は“巴里と魔利”茉莉の愛したフランスでの日々を中心に。


私たちのいる現実の世界ではない、つまり、いかにも現実の世界のようでいて
そうではない、どこかにある、おもしろい世界が、芸術の世界である。


「屏風・桜」からの引用です。
私が本に求めるものであり、茉莉の作品ももちろんそうです。
読み始めるとすぐに森茉莉の世界に引き込まれる幸せを感じます。

背の眼/道尾秀介

背の眼

福島県白峠村を訪れたかけだしのホラー作家・道尾。
軽い旅行のつもりが、その村では子供が何人も神隠しにあっているという。
一人は死体で発見されたと聞き、発見現場の河原へ行った道尾は誰もいない
その場所で不気味な声を耳にする。
恐怖にかられた道尾は予定を切り上げ、東京に逃げるように戻ったのだった。
後日、あの声を忘れられない道尾は、心霊現象の研究家となっている大学時代の
友人・真備庄介を訪ねる。
話を聞いた真備は、自分のもとへ送られてきた心霊写真との共通点を感じ、
道尾と助手の北見凛とともに白峠村へ赴くが・・・。

第5回ホラーサスペンス大賞の特別賞受賞作で、道尾秀介さんのデビュー作です。
読みながら感じたことは、巻末の審査員の選評にすべて書かれていました。
(私が読んだのは最初に出た単行本のほうです。)
良いところは~、かなり長いにも関わらず、先への興味でさくさく読めること。
この本を読んだ時点では、私は好きとはいえませんが(^^;)
道尾さんって最近良い評価を耳にする作家さんなので、他の作品も読んでみようと
思います。次は道尾と真備のシリーズ第2弾にしますか。



帝都衛星軌道/島田荘司

帝都衛星軌道
その昔、占星術殺人事件を読んでファンになってから、ずっと読み続けている
島田荘司さん。
今や、本格ミステリ界の巨匠ですね。
「帝都衛星軌道」の帯には、“正直言って、自信作です。”
巨匠の自信作~!\(^○^)/

平凡な信金サラリーマンの紺野の息子が誘拐された。
犯人は身代金の受け渡しに妻・美砂子を指定。しかし、要求はたったの15万円。
犯人の真の目的は・・・?

前・後編にわけられた「帝都衛星軌道」は、なんだかすごく普通の警察小説のように
始まりますが、それで終わるわけがないのはわかっていますw
謎の提示が前編、解決が後編になるのですが、その間にもう1編
「ジャングルの虫たち」が挟み込まれています。
こちらはホームレスとして生きる男が新聞記事で見かけた過去の知り合いの回想
といったお話。このふたつがどう繋がるのか?
興味深く読みすすめていったわけですが~。

シリーズ物のような派手さや奇想天外なところはないです。
島田さんが冤罪・死刑反対のために活動されている実際の事件と昔から展開されている都市論のための小説、といった感じがしました。
もちろん、小説として読ませる力は変わりなく、引き込まれます。
ちょっとムリヤリかなーと思う箇所がないでもないですが。
現在の島田さんの都市への興味、摩天楼の怪人にも通じるものがありましたね。
やはり、ファンなら読んでおかねばならないでしょう。
でもでも、自信作って~!?

I Loveモーツァルト/石田衣良

I LOVEモーツァルト
今年はモーツァルトの生誕250年にあたる年ということで、クラシック界では
様々な企画やイベントがおこなわれていますね。
この本はモーツァルトをテーマに開催された「熱狂の日」音楽祭のために
石田衣良さんが書き下ろされたものです。
石田さんといえば、執筆中に音楽を必ず聴いてらっしゃるそうで、その作品にも
多くのクラシック音楽が出てきます。人気の池袋ウェストゲートパークシリーズ
では主人公マコトがクラシックファンになっちゃって、色々と素敵な曲を聴いて
いますね。マコトが聴いている曲を知っていると、頭の中に音楽が流れ、
場面にふくらみがでるような気がします。
この本では、石田さん自身の音楽史、お気に入りCD、オススメ曲などとともに、
後半ではモーツァルトの生涯も簡単にまとめられていて、クラシックの入門書
として、とても良いんじゃないかと思いました。
石田さんのファンだけど、クラシックは~と言う人も、この本を読んだら
聴いてみたくなるのでは?聴いてみたいな、と思ったらすぐ聴けます。
この本には石田衣良セレクションのCDがついてますから(^.^)
石田さんから若いひとへ向けてのメッセージがこめられていて、それも
すっと胸に落ちる感じがして良かったです。

石田さんがクラシックを聴くきっかけになったのは、グレン・グールド演奏の
「ゴルトベルク変奏曲」のデビュー盤だとか。
うっ、かっこいい。さすが石田衣良。

ツバメ号とアマゾン号/アーサー・ランサム

今回も思い出の本の話を。

小学生になると私の本好きもまわりの人の知るところとなり、親戚などから
本をプレゼントされることが増えました。いらなくなった子供の本をもらったり。
そういうのには名作と呼ばれるものが多かったように思います。
「小公女」「アルプスの少女」「赤毛のアン」などなど。。。
何度も同じ本を読み返したので、これらの本のことは今でも挿絵とともに
思い出したりします。

さて、そんな私が小3になったとき、大きな出会いがありました。
それは担任の先生。若い女の先生でした。
本が好きな人で、授業中や休み時間に色々な本の話をしてくれました。
私が本が好きだと知ると、名作と呼ばれるものだけではなく現代の作家の
面白い本を教えてもらったりしました。
松谷みよこさんや古田足日さん、ほかにもたくさん。
中でもはまったのが
ライオンと魔女
映画化が記憶に新しいところですね。見てませんが(^^;)
夢中になって読みました。家のタンスの中に何回入りこんだ事か!
シリーズを最後まで読み終えるのはもっと後になりますが、一番すきなのは
やはり、この「ライオンと魔女」ですね。

そしてもう1冊。
ツバメ号とアマゾン号
5年生のとき転校することになったのですが、その頃には他の学年の担任だった
あの先生がさよならのプレゼントとしてくださった本です。
「ツバメ号とアマゾン号」夏休みに湖にやってきた家族。子どもたちは
自分たちだけのキャンプを許されて・・・。
先生の思い出とともに大好きな本です。

10年ほど前かな?今は亡き河島英悟さんのコンサートのチケットをもらって
ダンナとふたりで出かけたときのこと。
席について斜め前の人をなにげなく見ると、あの先生がいらっしゃるではありませんか!
あまりお変わりになっていなかったので間違いないと思ったのですが、
声をかけることができませんでした。
もし、私のこと覚えてなかったら、とか思っちゃったんですね。
あとでとても後悔しました。
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