のばらのアリア

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シャドウ/道尾秀介

シャドウ

我茂凰介は小学5年生。
母の咲江は癌で闘病の末、亡くなってしまった。
葬儀も終わり、父・洋一郎と二人だけの生活に入った凰介。
そこへ、同級生の水城亜紀の母・恵が飛び降り自殺を遂げたという知らせが。
我茂家と水城家は、父・母・子供がそれぞれ同級生という事で家族ぐるみの付き合いをしてきたのだ。更に、亜紀までが交通事故にあったという。
何が起こっているのか。
そして、洋一郎の身にも。。。

道尾秀介さんの新作です。
「背の眼」「骸の爪」と読んで、これで読むのは3冊目です。
上記2冊のシリーズものに比べて、この作品は読みやすい感じがしました。内容が読みやすいというのではなく、文章的に、です。
章ごとに視点が入れ替わるのですが、子供である凰介の視点から書かれている部分のせいでしょうか?
物語はじめから、子供たちに良くないことが起こりそうな雰囲気が漂っていて、その上、不安定な親たちの存在が読む側の不安をかきたてます。
そして張り巡らされた伏線とどんでん返し。
登場人物の気持ちに疑問を感じる部分があったのは残念ですが、面白くまとまっていると思いました。道尾さんは物語を作る才能と豊富なアイディアをお持ちなんですね。
そして、読者を楽しませよう、ビックリさせよう、といったサービス精神も。でも、そんなに色々詰め込まなくても(;^_^A
飾らずに、さりげなく。そうするともっと洗練されてくるのでは。
なんて(^.^)
次回作にも期待!ですが、評判の高い「向日葵の咲かない夏」をまだ読んでいません。
楽しみだな~。

風魔/宮本昌孝

風魔 上風魔 下

天下を取った豊臣秀吉は関東の雄・北条家征伐にのりだす。
北条家100年を陰で支える風魔一党は若き頭領・小太郎のもと
主君一門を救うため動き始める。
風魔の小太郎。
身の丈七尺の巨漢にして、優れた業と頭脳をもつ風神の子。
人の心に清爽な風を吹きつける彼の歩んだ道は。。。

うふ、うふうふ。
忍者ものです。けっこう時代小説読んでますが、ひさしぶり。
司馬遼太郎さんの「風神の門」以来、好きなジャンルです。
上下2冊のぶあついこの本、久々にツボをついてくれました。
夢中で読み進んで、下巻の途中でしまった!と思いましたよ。
あとちょっとで終わっちゃう!もっとゆっくり読めばよかった
って(T.T)それくらい惹きこまれました。
小太郎のキャラがまた良いんです。好きなタイプ(^.^)
一応、実在した人物らしいですが、身の丈七尺って212.1cm!
ジャイアント馬場が209cmですのよ、奥さん。(←誰?^^;)
身体もでかいが心もでかい。好かれ慕われるのと同じくらい
その存在を面白く思わない者も出てきたりして。
秀吉から家康に天下が移る、策謀渦巻くこの時代。
小太郎を取りまく人々も多彩で役者が揃ってます。
曾呂利新左衛門、服部半蔵、柳生又右衛門。
風魔を乗っ取らんとする湛光風車、美男の真田忍び唐沢玄審、
徳川方を抜けた女忍び・笹箒。
そして、小太郎が唯一仕える主・氏姫。
それぞれの思惑が絡み合って、物語がぐんぐん面白くなって
いきます。読み応えあり!
ラストも爽やかでよかった~。

今回、私的には大当たりだった宮本昌孝さん。
以前に3冊ほど読んだのですが、そのときは、悪くはないが
良くもない、といった印象でした。
この本を手にしたときも、特に期待はしていなかったのです。
それが、こんなに楽しませてもらえるとは!
嬉しいなー。時代小説で面白い!って思える人が少ないので
この先、楽しみです。
読後に、故・隆慶一郎さんをはじめて読んだときのことを思い
出したりしました。

UFO大通り/島田荘司

京極夏彦の新刊のあとに、島田荘司の新刊を読む。
なんか、贅沢~。しあわせ~。
UFO大通り

おばあちゃんのうちの前を朝早くUFOが通るんだって。
それに、山の中で宇宙人が戦争してるのも見たんだって。
で、そのことをテレビに出て話したの。
息子さんはおばあちゃんがおかしくなったと思ってるみたい。
どこかの施設へ入れられちゃうかも。
おばあちゃんはおかしくなんてなってないのに。
御手洗さんなら、なんとかしてくれると思って。。。
近所の仲良しのおばあちゃんを案じて、訪ねてきた小学生の
女の子。御手洗と石岡はその頼みを聞いて、いざ鎌倉へ。

「UFO大通り」と「傘を折る女」の2本が収録されています。
御手洗と石岡が馬車道で二人で住んでいた頃のお話。
懐かしい感じで楽しむ事ができました。
「溺れる人魚」を読んで間もないだけに、そう感じたのかも。
どちらも面白かったですが、「傘を折る女」の方がいいかな。
おうちから1歩も出ないで解決しちゃうんです(^.^)
ただ、両作品の重要なポイントが共通していたのには、えっ?
って思ってしまいました。
同じだからこそ、1冊の本にしたんでしょうけど。んんー。

邪魅の雫/京極夏彦

邪魅の雫
ファン待望の京極夏彦さんのシリーズ最新作です。
もちろん、わたしも待ってましたとも!
分厚く、重いこの本。読みにくくてしょうがありませんが
この分厚さが嬉しい(^.^)たっぷり楽しめました~♪

今回は舞台は主に大磯。
起こる事件は連続毒殺事件でございます。
様々な登場人物の視点から物語は語られ、絡み合い、最後に
ひとつになってゆく。。。
久しぶりに京極堂シリーズを読んでいる、という実感と満足感
が得られました。
今回はいつものメンバーの様子が少し違っていて、活躍が期待
される人もおとなしい。
そういったところが淋しくもあり、新鮮でもあり。
シリーズとしてはこういうのも良いな、と私は思いました。
ある意味、意外な一面であるわけですから。
前作に続いてミステリ面では驚きはなく、わかりやすいです。
先が読めるとつまらないという人には向かないかもしれません
が、物語としての面白さ重視の私には問題なしでした。
ラスト近くなると、わかっていても読むのが止められず、一気
に読んでしまいましたもの(^.^)
読み終えて考えたのは、このシリーズのこれから。
「塗仏の宴」で折り返し地点を過ぎたとすると、これからゴール
へ向かうのでしょう。
新たな登場人物にこの先も出てきそうな人もいて、この作品に
も伏線があるのかも?
「宴」以降、少し変わったと思えるこのシリーズ。
どうなっていくんだろう。
わからないけど、期待だけは裏切られないと信じています。

さて、この本を買うと講談社ノベルス京極夏彦全作品解説集
というオマケがついていました。
これ、便利です(^o^)読む前に目を通すと、良いおさらいに
なりました。

なぞの転校生・眉村卓

久しぶりに思い出の本を♪
さて、小学校も高学年になったワタクシ。
図書館では江戸川乱歩の怪人二十面相シリーズや海外の
ナンシードルー、ハーディーボーイズなどのシリーズを
せっせと読んでいました。可愛いものです。
クラスでは、ある本が女子の間で回し読みされていました。
それは
怪奇小説傑作集 1
これが当時と同じものかはわからないですが、怪奇小説のアンソロジーでした。みんな怖いくせに怖い話がすきなんですよね。
私も怖いくせに夢中になって読みました。
中でも強烈に印象に残ったのは「猿の手」という話。
有名なお話ですから、ご存知な方も多いでしょう。
願いを3つかなえてくれる猿の手のお話です。
ぞーーっとしたのを今でも思い出します。

もう一つ、クラスで話題になっていたのはNHKの少年ドラマシリーズでした。その原作が
なぞの転校生
なんかすごく人気だったです。私もかかさず見てました。
少年ドラマシリーズはいろんな作品がありましたが、眉村卓氏原作のものは特に人気があったように思います。
「未来からの挑戦」とか「幕末未来人」とか。
ドラマを見て、眉村卓氏の原作を読んだ人も多かったのでは。
私もそのひとりでした。まだおこずかいも少なかったので、
続けて読むことはできませんでしたけど。
「なぞの転校生」や「ねらわれた学園」ドラマとは違うところもありましたが、面白かったなぁ。
SF小説というジャンルに興味を持ちはじめたのも、少年ドラマシリーズと眉村卓氏がきっかけかな。

友達は「高野くんがいい」とか「私は熊谷くん」とかいってましたが、私が少年ドラマの出演者で良いなと思ったのは
「安寿と厨子王」の安寿・池上希実子さん、「幕末未来人」のゆき・
古手川祐子さん、そして「七瀬ふふたたび」の多岐川裕美さん。
みなさん、若くてとってもきれいで可愛かったんですよん。

ハナシにならん!笑酔亭梅寿謎解噺/田中啓文

テンプレート、変えてみました。
ちょっと字が小さいかな?
気に入ったのがあれば、ちょくちょく変えていきたいと思います。
では、今日は!
ハナシにならん!

手のつけられない不良の星祭竜二は教師にムリヤリ落語家の
内弟子にさせられてしまいます。
笑酔亭梅寿。名人であり、無茶苦茶な性格の関西落語界の
大御所。この師匠に振り回され、やめてやる!と思いながらも
落語に魅力を感じはじめる竜二。
芸人たちの周りでおきる日常の謎をからめて語られる
ハナシがちがう!「ハナシにならん!」はその続編になります。
今回は竜二は落語家としての自覚も芽生え、Oー1という賞金
の出る落語グランプリに(M-1みたいなやつですね。)大阪
代表として出場したり、はじめてテレビ番組に呼ばれたりと、
前進しています。
あいかわらず無茶をする梅寿師匠は、今回もとんでもないこと
になって(^^;)

落語、わりと子どもの頃から好きでした。
神戸生まれで大阪育ちの私。関西ではテレビやラジオで落語を
聞く機会がけっこうありましたので。
結婚した当初は新宿に住んでいたのですが、夕方になると
落語家さんがお弟子さんと出かけるのをよく見かけました。
末広亭にもダンナさまと行きましたー。その帰りに近くにある
美味しいラーメン屋さんに寄ったら、今は亡き桂三木助さんが
ラーメン食べてましたっけ。懐かしいなー。
えー、ハナシがそれていってます(;^_^A えいっともどして。
笑酔亭梅寿のモデルは、豪快で破天荒な私生活が伝説の名人、
六代目笑福亭松鶴さん。ご本人を彷彿とさせるエピソードが
たくさんあり、読んでるだけで嬉しくなってしまいます。
前作と違い、真剣に落語の事を考えている竜二。
金髪鶏冠頭は変わりませんが、中味は随分変わったようです。
今回は落語家・芸人としての竜二の成長を描く事がメインに
据えられ謎解きのほうはオマケっぽくなっています。
でも、充分楽しめました。こういうの好きなんです。
大阪に戦後初の落語専門の寄席、天満天神繁盛亭が先月、
オープンしました。
この本を読んだら、すごく行ってみたくなりましたね(^.^)

カクレカラクリ/森博嗣

カクレカラクリ

廃墟マニアの郡司朋成と栗城洋輔は、同じ大学の真知花梨に
招かれて彼女の故郷・鈴鳴村を訪れます。
村の廃工場が目的だったのですが、村に伝わる「隠れ絡繰り」
の話に興味を持ち始めます。
「隠れ絡繰り」とは、天才カラクリ師といわれた磯貝機九朗
によってつくられたもの。
その全容は謎ですが、120年後のお戌様の祭りの日に動き出す
といわれているのです。
120年もの間、誰にも知られず、どこに隠されているのか?
今年がその120年後に当たります。
カクレカラクリは見つけられるのでしょうか。
そして、今年本当に動きだすのでしょうか。

コカコーラの120周年記念に依頼された小説だそうです。
というわけで、120年なんですね。小説の中でコーラがよく
飲まれていますw
ドラマ化が最初から決まっていたそうで、読んでいて映像が
浮かびやすい作品になっています。もう放送されたんですね。
あまり自分の意思でドラマを見ることがないので見てませんが。
森さん的なキャラクターが楽しそうな夏休みの宝探し!
といった感じの小説でした。
もし、映像化がうまくいっていたら、ラストあたりは感動的な
良い場面になりそうです。

S&Mシリーズ、Vシリーズ、とずっと読んできた森さんですが
「四季」を読んでから、次のシリーズになんとなく手がでません。
飽きちゃったのかな?
シリーズじゃないものの方が今は良いかなー。



ひとつ灯せ/宇江佐真理

ひとつ灯せ
代々続く料理屋を息子に譲って隠居となった平野屋清兵衛。
死にかけたことがきっかけで、幼馴染の伊勢屋甚助に誘われて、月に一度の
“話の会”に参加することになります。
話の会とは、実際にあった怪異について語り合うというものでした。
面白おかしく怪談を話すのではなく、真面目に話し合い、教訓を得て災いを
避けようというのが会の主旨なのです。
これまで仕事一筋で遊んだ事のない清兵衛は、怖がりながらもだんだんと
会に参加するのを楽しみにするようになりますが。。。

はぁ~。続けて怖い話読んでしまいました(T.T)
ちょっと不思議な感じの話なのかな?と思ったんですよね。
なんともいえない怖さがじわじわきます。ひゃー!ってのもアリ。
今まで読んだ宇江佐さんの作品とは一味違っていました
清兵衛が可愛げのある人で、楽しいとついはしゃぎすぎたりしちゃうところなんて
読んでて微笑ましいんですよ。
それが、話の会のメンバーたちにいろんなことが起こってくるあたりから、
怪談とは違う怖さが加わってきます。
人が暮す、そのすぐ傍らに、違う世界はいつもある。
人の思いやおこないが、それを呼び込んでしまう。
怖い話をしているとお化けがよってくるよ、なんていいますよね。
冷静に真面目に話していても、それは例外にならないようで。
知れば知るほど、深く暗い世界に引き寄せられてしまうのでしょうか。
怖さの余韻が残る作品でした。

厭魅の如き憑くもの/三津田信三

じっちゃんさんのブログ「じっちゃんの誤読日記」でレビューを読んで、
私好みかも?と読んでみた本です。
厭魅(まじもの)の如き憑くもの
神々櫛村。そこでは神櫛家と憑き物筋の谺呀治家のふたつの家が対立しています。
谺呀治家では代々双子の女の子が産まれ、その双子は巫女になることが決まり。
村ではカカシ様と呼ばれる山神様がまつられ、カカシ様と同じ姿だという
厭魅(まじもの)が怖れられているのです。子どもの神隠しも何度か起こって
いるという山深い村。取材に訪れたホラー作家の刀城言耶が遭遇したのは
連続殺人事件。。。

ホラーとミステリの融合というこの作品。
私は本を読みながら、頭の中にうっすらとしたイメージ映像をつくるんですが、
読み始めて、ある場面でいきなりそれが楳図 かずお先生の絵に!ひー!
2つほど首筋がざわざわするような怖い場面がありました。
スプラッタとかは読んで不快になっても怖いと思うことはないんですが、
こういう日本ならではの設定でのじわじわとくる恐怖はたまらないですね。
こんな村やこんな人たち、いるわけないよ!と、思えないのは、民俗学に
ついての丁寧な(ちょっと長い^^;)レクチャーと横溝正史先生の作品を読んできた
からでしょうか。今はともかく、昔はあったんじゃないかと思っちゃいました。
ミステリ部分では事前の情報もあったので、何人かの犯人候補を思い浮かべて
解決編に臨みました。結果、私の推理!の中に犯人はいましたが、ひとりずつ
犯人の可能性が消えていく、その過程がなかなか面白かったですね。
懐の深さを感じさせる解決編に満足でした。
やはり、私好みの作品だった~(^.^)
続編がすでに出ているようなので、それも読んでみたいですね。
刀城言耶のお父さんという人にも興味がw

名もなき毒/宮部みゆき

名もなき毒
「誰か」の続編になります。
今多コンツェルン会長の愛娘と結婚した杉村三郎。娘にも恵まれ、幸せな生活を
送っています。
グループの社内報編集部に勤める彼に新たな事件が。。。

色々と内容つまってます。
シックハウス症候群・土壌汚染・青酸カリによる無差別殺人・バイトに雇った
困ったチャンをクビにしておこるトラブル。
これらがうまく絡み合って、面白く仕上がっている、と思われます。
うちの母は宮部さんのファンで「面白かったねー」といってましたから。
私は・・・。
昔から宮部さんの作品はほとんど読んでいて、一時期はすごく期待している
作家さんだったのですが~、最近ちょっと(;^_^A
と、いうか宮部さんを最初に読んだときに、引っかかったモノがあり、それが
だんだん大きくなってきて、あまり楽しめなくなっているのです。
この作品ではとくにそれがひどかったです。
わかりにくいですね。これはきっと私個人の性質に関係すると思うので。
宮部さんは出す本はベストセラーに必ず入り、年齢にかかわらずファンの多い
人気作家さんで、もちろんそれだけの実力をお持ちです。
でも、私には合わないみたい。主な登場人物に違和感を感じて好きになれないし
ちょっとした表現が気持ち悪く、不快になってしまったり。
宮部さんの書いたものを読むと真面目な人なんだなぁと思います。
優等生に対する反発、なんでしょうかね?(^^;)








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