のばらのアリア

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私の胸には蝮が宿り/長坂秀佳

私の胸には蝮が宿り
どっきりジャケットシリーズ第2弾?

ミステリ作家で脚本家でもある城 研九四郎(きづき とくしろう)はテレビ局と出版社のタイアップ企画のために、青森県弘前を訪れる。
そこで日籠千織という美しい女性と知り合い、惹かれる研九四郎。
地元でも悪名高い男を父に持つ彼女は、父の死後、義母と3人の義理の姉妹とともに豪邸で暮していた。
複雑な人間関係の中、弘前城で薪舞がおこなわれた夜、第1の殺人が。。。

脚本家として有名な長坂秀佳氏。氏の長編小説を読むのは初めてです。以前、自伝エッセイ長坂秀佳術を読み、面白かったので、小説も読んでみたいと思っていたのでした。
この作品は本格ミステリ。タイトルや粗筋から横溝正史のような雰囲気なのか?と思いきや、明るくドタバタした感じ。深刻なものをあまり感じませんでした。
文体のせいなのかな、と思います。会話が多く、読みやすいようですが、その会話に使われる言葉やカタカナに古さと違和感を感じました。話し言葉でキャラクターの個性を表そうとされているのだと思いますが。
ミステリ的には、うーん。第1の殺人が起こるのが遅い(^^;)
氷の密室や見立て殺人など、本格ミステリとして面白そうなものは次々と出てきます。お約束も守られています。
しかし、感情移入できる人物が誰もいない。探偵役の研九四郎にさえ。
いろんなものが邪魔をして、物語を楽しめなかった、って感じでしょうか。

タイトルの「私の胸には蝮が宿り」は太宰治の『斜陽』からの引用だそうです。
太宰は一通り読みましたが、この言葉は記憶にないです。
あまり好きじゃないので、熱心に読んでなかったからかな。

狐狸の恋/諸田玲子

狐狸の恋

にぎやかだった矢島家も、源太夫・多津一家が新居に移り、次女の君江が嫁したことで、少し淋しくなりました。
しかし、嫡男・久太郎の縁談や次男・久之助の行く末などの問題は未解決。珠江さんも淋しがっている暇はなく。。。
「お鳥見女房」シリーズ、4作目です。

読み終えて、しみじみ私はこのシリーズ好きだなぁ~と思いました。諸田さんの作品の中で一番好きですね。
今回の興味は久太郎と鷹姫さまこと恵以の仲がどうなるか。久太郎の気持ちさえ決まれば、すんなりいくんでは?と思っていたのですが、いやいや、そう簡単には(^^;)
シリーズの最初の方はあまり目立たない久太郎が成長し、いい男になっていくのが良いですね。
久之助にも新しい展開が見えますし、気になる婚家での君江の様子など、わくわくしながら読みました。
すっかり出番の少なくなった源太夫・多津夫妻ですが、騒いでばかりだった子供たちも成長して、これから子供たちに絡んだお話が色々でてくるかも!なんて期待をしてしまいます。
そして、タイトルロールの珠江さん。
今回もすてき爆発!(≧∇≦)良いですねえ、やっぱ理想の女性です。
できるだけ長く続いて欲しい、このシリーズ。もう次が読みたくてたまりません。

灰谷健次郎さん

作家の灰谷健次郎さんが亡くなりました。
『兎の眼』『太陽の子』は小学生のときに読み、今でもたまに読み返す大好きな本です。

ご冥福をお祈りします。

親不孝通りラプソディー/北森鴻

親不孝通りラプソディー
1985年。
オレも相棒も17歳だった。

博多の町ではけっこう有名、高校生のかも・ねぎコンビと呼ばれるテッキとキュータ。
美人局に引っかかり、なんと一千万円を要求されたキュータは、お金を作ろうととんでもないことを考え出します。
しかし、実行に相棒のテッキを誘ったもののあっさり断られてしまいます。後にはひけないキュータは、狂犬といわれるキョウジとともに計画を実行!
それが、ヤクザ・警察・あれやこれやを巻き込んだ大騒ぎに発展するのです。

北森鴻さんの作品をはじめて読んだのは、親不孝通りディテクティブでした。
この作品で北森さんがお気に入りに追加されました。
面白かったですねー。ほろ苦いラストが、続きはないよと言っているようでしたが、でました!続編(^o^)何年ぶりになるのやら?
続編といっても、テッキとキュータの現在ではなく、過去のお話です。やんちゃしていたことは前作でも書かれていましたが、これほどとは思いませんでした。
悪い子、とっても悪い子たちです(;^_^A しんじられなーい。
あまりの展開にあぜんとしながらも、物語に引き込まれます。
面白かったです。舞台となる1985年のことが色々と書かれているのも懐かしいです。
そして、ラストはすっかりキュータの気持ちに同化してました。

何年も、何年も、待ち続けていたんだ。


ポケットは犯罪のために/浅暮三文

ポケットは犯罪のために

メフィスト誌に連載された6つの短編に書き下ろしを加え、ひとつの話としてまとめられたものです。
というと、連作短編みたいですね(^^;)違います。
武蔵野のある町で起きたさまざまな事件。事件にも関連性はなく、出てくる人物も毎回別のひと。
ひとつひとつの話にはまるで繋がりはないのですが、前後と間に加えられた、スリの男の語りがそれを繋げていくのです。
面白いやり方だな、と思いました。
短編は本格で、おおっ!というほどのものはなかったですが、どれもよくできていて楽しめました。
「J・サーバーを読んでいた男」「函に入ったサルトル」とか好きかな。「薔薇一輪」も良い感じだったのですが、つい最近読んだミステリとオチがかぶっていたので、私の中では減点~。
そして、最後のサプライズ。最初から仕掛けが施されていたので、本の中の事と思っていても、つい調べてしまいました。
この部分は好き嫌いがわかれるかもしれないですね。

浅暮三文さん、以前に読んだ石の中の蜘蛛では幻想的な感じが印象に残った作家さんでしたが、今回は全然違ってました。
実験小説家と呼ばれているとか?
他のものも読んでみようかな、と思います。

狼花/大沢在昌

狼花


ナイジェリア人同士の傷害事件を調べ始めた鮫島。
浮かび上がってきたのは国際的な規模の故売市場。
そこには鮫島の因縁の人物がからんでいた。。。

「新宿鮫」前作から5年ちょっと、待望の新刊です。
はじめて読んだのは随分前です。まだ携帯電話がショルダーバックみたいな形の頃でしたね~。
いつものように、ひとり鮫島が事件を追っていく話なのかと思ったら、シリーズの分岐点になるような内容でした。
これまでシリーズに重要な人物として登場していた仙田、鮫島の同期であるキャリアの香田、この二人が前面に出てきます。
とうとう決着をつけるんだな、と思いました。
展開もスピーディで、読ませます。うまいです。
3人の男たちの警察への思いは複雑ですが、底に同じものが流れているのを感じます。
そこが良いですね。好きなところです。
そして「狼花」のタイトルを捧げられた呉明蘭という中国人女性の生き方がクロスして描かれることで作品として面白くなっています。
「新宿鮫」もこれで9冊目。一定の質は保ちつつもシリーズとして、このままでは?と思っていました。
しかし、この作品を読んで、次に鮫島が現れるときどんな物語が始まるのか、楽しみになりましたね。
新しくなる、そんな予感がします。
そのとき、晶はもういないのかなぁ?

配達あかずきん/大崎梢

配達あかずきん

本屋さんでこの本の続編が出ているのを見かけました。
そういえば、『配達あかずきん』ってなんだか良い評判を聞いたなぁと思い、読んでみる事に(^.^)

駅ビルの6階にある成風堂書店。
しっかり者の書店員・杏子は学生時代のバイトも本屋で、もう6年、本に囲まれた生活をしています。
そんな杏子に寄せられるお客様からの問い合わせは、探している本のことだけではなく、本にまつわるさまざまな謎。
大学生アルバイト店員で勘の鋭い多絵とともに、謎に取り組んでいきます。
それは寝たきりの老人が探しているという本の暗号めいたリストだったり、「あさきゆめみし」というマンガを買った後、母がいなくなったという女性からの相談だったり。。。

本屋さんを舞台にした日常の謎系ミステリです。
タイトルも作者もわからないという女性客に、少しのヒントから杏子がその本を探し出す、というはじまりに
お!面白そう(^.^)と嬉しくなってしまいました。
連作短編で5つのお話があるのですが、どの話にも良いゲストキャラがいて、面白くまとまっています。
本格ミステリといわれると?ですが、本屋さんのお仕事の内容など、興味深く読ませてもらいました。
けっこうきついこともあるみたいだけど、本屋さんで働くって良いな~って。本屋さんとか司書さんって、なれるならなってみたい職業なんですよね。
そのくせ、本屋さんで店員さんと話すといったら「カバーかけますか?」「お願いします。」くらい。
良く見かける書店員さんの手書きポップも見るけど、参考にしてないという私(^^;)
続編は長編だそうで、本格ミステリかな?

これまでに出たミステリフロンティアの本がずらーりと並べられた、この本の装丁。
25冊のミステリフロンティア、思わず自分が読んだ本を数えると15冊ありました。しかし、なんだか違和感が。
なんと、実際に出た本とは装丁の違う25冊が並べられていたのです。
凝ってるなぁ(^.^)


みつおちゃんのこと

昨日、新聞を読んでいたら、訃報が目に入りました。
ああ、とうとう。。。
作家の永沢光雄さんがなくなったのです。
最近、新聞に連載されていた「生老病死」を読んで、具合が悪そうだな、と思っていたのですが。享年47才。早すぎますね。

私は作家としての永沢さんはよく知りません。ただ、少しの間ですが、仲良くしてもらっていたことがあります。もう随分前のことです。私の先輩の紹介でした。先輩の先輩だったのです。その日から私も遊び仲間に入れてもらいました。遊び、といっても飲むことですけど(^^;)お酒が飲めない私も、場の雰囲気や会話で楽しませてもらっていました。永沢さんは一度にたくさん飲むというのではなく、1日ずーーっとお酒が切れないようなお酒のみでした。たぶん素面で会ったことなかったんじゃないかな。いや、素面でもわからなかったのかも。飲んでいても、酔っ払ってる様子がない人だったので。酔って乱れたところは見たことがないです。

当時、永沢さんは出版社で編集のお仕事をしてらしたのですが、ある日突然、「会社やめてきちゃったよーん」
その日は退職祝い?みたいな感じで飲んだのですが、数日後、軽い気持ちで「なんでやめることにしたの?」と聞いたら、よその方を向いたまま、「女子高校生コンクリート詰め殺人があったでしょ。ああいうエロ本の中であるような事が現実に起こってね、なんか、もう、ほんとにイヤになったんだよね。」
私が何もいえずにいると、「男の子はポケットに手をつっこんで、好きなように歩いてないと、ね。」と笑っていました。

おうちにも一度だけ先輩と遊びに行ったことがありました。
もちろん、永沢さんは昼からビール(^.^)
ピキちゃんという真っ白な可愛いペキニーズを飼ってらして、犬好きの私はメロメロに。
「この子に子供が生まれたらちょうだい。」「いいよー、あげるー。」
なんて約束もしましたっけ。
その日は帰りに本を何冊かいただいて帰りました。

最後に会ったとき、言われた言葉に腹を立てた私が連絡しなくなって、それきりお会いする事はありませんでした。
近くにいれば、次に会ったときには忘れるようなことでしたが、私は地元に戻っていたので、そんな機会はなかったのです。
でも、書店で永沢さんの本を見つけたときは、「すごい!やったなー!」と嬉しくなりました。テレビに出ているのを見かけて、「ハゲちゃったなー。」なんて思ったり。
癌で声と嗅覚を失われたことも、本が出たことで知りました。
しっかりした素敵な奥様に支えられ、書くことへの意欲は失っていない様子にホッとしていたのですが・・・。

いろんなことを思い出します。
伸ばしっぱなしの長髪で機嫌良くお酒を飲んでいた永沢さん。
ポケットに手をつっこんで、歩いていってしまったのかな。

さよなら、みつおちゃん。


AV女優 2声をなくして

みつおちゃんの本がこれからもたくさんの人に読まれますように。
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