のばらのアリア

2006年12月 ≪  12345678910111213141516171819202122232425262728293031 ≫ 2007年02月
TOP ≫ ARCHIVE ≫ 2007年01月
ARCHIVE ≫ 2007年01月
      
≪ 前月 |  2007年01月  | 翌月 ≫

不正侵入/笹本稜平

不正侵入
30年の警察人生をマル暴担当で染みひとつなく送ってきた秋川。旧友・有森の自殺を不審に感じた彼は、背景を調べ始める。その矢先に新設されたハイテク組織犯罪特別捜査室へ突然の異動。話を聞くはずだった有森の妻・亜沙子も失踪。背後に検察や暴力団の不穏な動きがあり、さらに大きな権力の存在も・・・。様々な妨害や裏切りにあいながらも、警官生命を賭けて秋川は真実を求める。

盛りだくさんのハードボイルド警察小説です。力作、といっていいのでしょう。新しさはないものの内容も悪くないと思います。が、読みながらも読み終わったあともすっきりしないものを感じました。なんだろう?いつも笹本さんを読むとそんな感じがします。例外は連作短編だった『駐在刑事』だけですね。登場人物のキャラクターや人間関係の描かれ方が私に合わないのかもしれません。それとこの作品ではデキる刑事であるはずの秋川が、明らかに怪しげな人物を見逃したり、わりと誰にでもペラペラと自分の知った事実を話しちゃう、ってところでガックリきてしまいました。ありえなーい(-_-)盛りだくさんゆえ、後半の収め方が急ぎすぎてるのも気になります。

Kの日々/大沢在昌

またやってしまいました(;-;)昨日書いたこの日記、アップ直前できれいさっぱり消えてしまった。うう。この間やったときに「下書きにして何度も保存しながら書くのよ!」と、るなちゃんに教えてもらい、そうするようにしてたのですが。なんか昨日はうっかり。ばかばか。はぁ。気を取り直して書き直しです。

Kの日々
「K's Favorite Things」という小さな雑貨屋の女主人「ケイ」。3年前、彼女の恋人だった中国人は、危ない仕事で八千万円もの大金を手にするが、死体で発見される。現金の行方は彼の死で不明に。その仕事の仲間だった元ヤクザふたりから、木(もく)は依頼を受ける。八千万円は女が持っているに違いない、見つけ出して欲しい、と。さっそくケイの周りを探り始めた木は、遠くから見ているだけなのに彼女に惹かれていく。大金を手にしたとは思えない生活ぶり、ケイは八千万円を持っているのか、いないのか?そして、現金を狙って動き出す者たちが他にも。。。

登場人物のほとんどがまっとうな暮らしをしていない、暗黒街wの人たちです。その中で元大手広告代理店のOLだったというケイはまっすぐで涼やか。賢くて強い心を持つ女性です。最近の大沢さんの作品には女性を真ん中に据えたものが多いですね。『魔女の笑窪』『狼花』もそうでした。でも、この2作品のヒロインより、ケイには共感できる部分がありました。物語は現金の行方を追う他に、ケイの恋人の死の謎・事件の黒幕探しなどが、テンポの良いスピーディな会話で進められます。大作!大ヒット作!って感じではありませんが、見て、わりと面白かったね、といえる外国映画を見たような感じでした。

スノーバウンド@札幌連続殺人事件/平石貴樹

スノーバウンド@札幌連続殺人
札幌の町で浩平にナンパされた久美子は誘われるまま、彼の部屋へ。しかし、浩平は久美子を縛り上げ「お前を誘拐した。身代金に1千万要求する。」と久美子をクローゼットにおしこめる。どうやら他にも仲間がいるらしい。クローゼットの中で久美子は仲間われなのか争う様子を聞き、警察に助けられたときには浩平は死体となっていた。彼を殺したのはだれか?東京から事件を解決するために美貌の車椅子の弁護士、山崎千鶴がやってくる。。。

事件の真相を知ったものの、何も話さずに去ってしまった弁護士・山崎千鶴。残されたものたちは事件の経過を正確に記す事で彼女がたどりついた真相に近づこうと、ノートを書き始めます。4人の事件関係者たちによって書かれた手記、という形の小説です。地味ですが、丁寧に書かれた面白い本格ミステリでした。山崎千鶴弁護士が探偵役の作品は以前にも読みました。美人で色っぽく(ルパン3世のフジ子さんみたいという記述もあり)明るい性格とされているんですが、なんだか、どろどろしたものを抱え込んだ女性という印象を受けました。この作品のラスト謎とき部分では犯人とともに彼女のことも語られ、それが結末を重く辛いものにしています。

福家警部補の挨拶/大倉崇裕

ミステリには倒叙ものといわれるタイプの作品があります。最初から犯人はわかっていて、犯行がおこなわれる様子からはじまり、刑事や探偵によってトリックやアリバイが崩される、といったミステリです。映画の刑事コロンボやドラマの古畑任三郎などがまさにそれ。私は倒叙ものはあまり好きではなく、コロンボも古畑もあまり見ていません。なんで最初からこの人が犯人だとわかり、しつこくつきまとうのか?とか色々思ってしまうんですね。しかし、刑事コロンボなんてものすごく熱心なファンがたくさんいるわけで。今回読んだ本はコロンボの大ファンでノヴェライズまでされているという大倉崇裕さんの作品です。
福家警部補の挨拶
私がはじめて読んだ大倉さんの作品は無法地帯でした。おもしろーい!と他の作品も読んでみたら感じの良いミステリだったので、新刊が出たら読む人リストへ(^.^)
さて『福家警部補の挨拶』その道の専門家で地位もあり、知能も高そうな犯人を福家警部補が追いつめていく、といったお話が4話収められています。面白かったです。倒叙ものにいつも感じる違和感みたいなものはありましたが、よく出来ている、と思いました。コロンボや古畑ファンの方が読んだら楽しめる事、請け合いです。主人公である福家警部補、平凡な外見ながら、どこか謎に包まれた感じがあるのが良いですね。読む前になんとなく福家警部補は中年のおじさんだろうといった先入観を持っていた私は、警部補ご登場場面でびっくり。嬉しくなりました。シリーズだそうですので、次も読んでみようと思います。

坂の上の雲/司馬遼太郎

今日は思い出の本、中学生編を(^.^)

当時、私が読む本は学校の図書室のものがメインで、本屋さんでは主に立ち読み(^^;)買うのは安い文庫本。欲しい本が全部買えたらなぁ~と本屋にいくたび思ってました。おこづかいは少ない。しかし、子供には年に一度リッチになるときがあるのです。そう、お年玉ってやつですね♪中1のお正月、私はお年玉でハードカバーの単行本を買おうと思いました。それまで自分では文庫しか買った事がなく、単行本を買う事に憧れがあったのです。いさんで本屋に向かったのですが、さて、何を買おうか。かなり迷いました。選ぶのにすごく時間がかかったのを覚えています。そして、選んだのが
坂の上の雲 1
秋山好古・真之兄弟と正岡子規の3人を主人公に明治の青春と日露戦争を描いた司馬遼太郎さんの名作です。なぜ、これを選んだのか?

春や昔 十五万石の城下かな

正岡子規の俳句で始まる冒頭を少し読んで、なんだか惹かれるものを感じたのです。司馬さんの小説は大人が読む、みたいなイメージがあったのも関係しているかもしれませんね。大人びた本を読みたいお年頃だったのでしょう。そして読み始めてすぐに、司馬さんの描く明治の世界にすっかり魅せられてしまいました。なんだかハマってしまったのです。あっという間に読んでしまい、残りのお年玉で2巻と3巻を買いました。しかし、『坂の上の雲』は全6巻だったんですねえ。6巻あると知ったときはどうしよう、と思いました。読みたいけど、続きを買えないからです(;^_^A 知ってたら、買ってなかったでしょう。本屋さんには3巻までしか置いてなかったので、それで終わりと思っていたんですね。ショックでした。しかたがないのでその3冊を何度も繰り返して読みました。そして主人公の一人である正岡子規の俳句や短歌に興味を持ち、図書館で句集を借りて読んだりもしました。残りを買えたのは中2のお正月でした。途中から戦争の話になり、主人公たちがほとんど出てこないのに驚きましたが、それでも私の中で『坂の上の雲』は特別な本になっていました。中3のときには主人公たちの故郷・愛媛県松山市に出張に行く父についていって、ゆかりの地を訪ねてみたりもしました。よっぽど好きだったんですね。

初めて読んだ司馬さんの作品が『竜馬がゆく』だったら、竜馬に、『燃えよ剣』だったら新撰組にはまっていたんじゃないかと思います。魅力的な小説に書かれた歴史上の人物を好きになるって、よくあることですよね?司馬さんの作品で素敵な主人公はたくさんいますし。最初に手に取った『坂の上の雲』に夢中になったのは、ちょっと中学生にしてはシブイですねw
もちろん、今でも私には特別な本。NHKがドラマ化するというのを聞いて、キャスティングと脚本が気になってたまりませんw(延期延期でまだまだ先になりそうですが) それと、松山に“坂の上の雲ミュージアム”というのができるそうで、そのオープンも楽しみ!夫の実家へ帰省するときに絶対行こう!と決めています。

最後の一球/島田荘司

最後の一球

1993年、ロシア幽霊軍艦事件の2ヵ月後。
馬車道の御手洗と石岡のもとを1人の青年が訪れる。山梨の田舎町で美容室をやっているという彼の相談は母のことだった。自殺未遂を起こしたという彼の母の悩みとは?「何もできないかもしれない。」御手洗はそういいながらも、翌日、石岡と共に山梨へ向かう。そして、事件は意外な方向へ。。。

75ページでさっさと事件を解決に導いてしまう御手洗。その後は竹谷亮司という元野球選手の手記になっています。事件の内容とこのタイトルでおおよそのトリックはわかってしまいますし、物語にもある程度の予測がつきます。不思議な大きな謎があって驚きの解決、といったお話ではないのです。社会派ミステリのような感じもあります。長編にしては派手さはありません。でも、面白かったです。真面目に努力を続け、それが報われない竹谷亮司の半生。しかし、彼の歩んできた道はしっかりと彼の財産になっている、そう感じました。だから読後感が良いのです。御手洗の解決にも納得します。さすが島田さん、読ませるなぁ~って感じでした。

晩夏に捧ぐ/大崎梢

晩夏に捧ぐ

成風堂書店に勤める杏子のもとに以前の同僚・美保からの手紙が届く。今は故郷である信州に帰り、老舗書店まるう堂に勤務する彼女。なんとそのまるう堂で幽霊が目撃されるという騒ぎが。しかも、その幽霊は27年前に老大作家を刺殺し、刑務所内で病死した犯人だという。多絵をつれてすぐきてほしいという美保。夏休みを利用して、杏子と多絵は信州へ向かう。

『配達赤ずきん』の続編です。サブタイトルに出張編とあるように、今回は成風堂から離れての長編です。この本、年末に読み始めていたのですが、途中で気持ちがそれ、読み終わったのは今日になりました。うーーん。なんというか、長編は早かったのでは?というのが感想です。短編では気にならなかった杏子と多絵の性格などが、この作品ではちょっと好きじゃない感じでした。ミステリ的にも色々と盛りこもうとしているのはわかりますが、なんか薄い。大崎さんがこういうタイプの作品が好きで、書きたかったんだろうなーとは感じましたが。期待しすぎていたのかな?思ったほど楽しめませんでした。

僕たちは歩かない/古川日出男

あけましておめでとうございます\(^○^)/
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

さて、2007年最初に読むのはどれにしようかなっと。
夫はお昼寝中。静かにひとりで過ごす時間のために(ちょっとイビキが聞こえますが)選んだのはコレ。
僕たちは歩かない

僕たちは夏から秋にかけて出合った。きっかけはそれぞれが違うけれど、みんな“ここ”への入り口を見つけてやってきた。
“ここ”は26時間制の東京。普段暮している東京より2時間多い時を持つ東京。僕たちは共通点をもっていた。全員がどこかで修業をして東京にもどってきた料理人なのだ。そしてみんなまだシェフではない。僕たちは26時間制の東京で『研究会』を結成する。それはとてもうまくいっていた。そして、ずっと続くと思っていた。。。

古川日出男さんの大人のための童話ですね。挿絵も懐かしい雰囲気があり好きです。前半はとても良い感じで、これからどんな物語が語られるのか、期待しました。しかし、後半部分は誰もが知る神話をモチーフにRPGやファンタジー映画のような展開になっています。その部分に違和感を感じました。ちょっと残念。

古川さんは村上春樹さんの作品がお好きで影響があると、何かで読みました。村上春樹さんといえば思い出すのは私が20才のとき。友達が「私、村上春樹大好き。文章がきらきらしてる。宝物みたいに一人でじっくり時間かけて読むねん。」と言いました。その少し前に村上春樹を読んだ私は、おしゃれな感じと思ったけど良いと思わなかったのでビックリ。帰ってから、もう一度読み返しましたが、感想は変わらず。人気のある作家さんの魅力がわからないというのは少しショックでした。アホなのでしょう(^^;)それ以来、村上春樹さんは読んでいません。しかし、今、その村上さんの影響を受けたという古川さんの言葉や文章のリズム、語られる物語が大好きな私。うーむ。村上春樹再チャレンジした方が良いかなぁ。
プロフィール

のばら

Author:のばら
トイプードルの男の子
ハルとのざっくりした日常

ハル
フリーエリア

Twitterブログパーツ
Twitterブログパーツ
月別アーカイブ
POWERED
Template by
FC2ブログのテンプレート工房
Design&Customize by
Pretty Heart-blog
Powered by FCブログ